2006年のコラム

   

今月のひと言

当社のコラム担当 「今が好き♪」 氏のコラムです。毎月連載します。

    
2006年 12月号 「空き巣」
11月号 「フリーター」
10月号 「資源ゴミ」
9月号  「甲子園」
8月号  「学生寮」
7月号  「傘」
6月号  「老人」
5月号  「ヨット」
4月号  「鉄道模型」
3月号  「路肩走行」
2月号  「結婚式」
1月号  「イルミネーション」
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12月号 「空き巣」

 都の統計では「空き巣」被害がここ数年、減少傾向にあるという。家から物を盗まれると、空き巣が入ったなどと言うが、家人が出払っていて、空き家状態での被害が空き巣・夜、就寝時の窃盗が忍び込み・居間でテレビを見ているとか、食事中に他の部屋で盗みにあった場合は居空きと区別されているようだ。企業でのセキュリティ強化と並んで、近頃では一般家庭でもさまざまな防犯グッズが取り入れられている。通勤帰りの夜道、玄関先を通るとセンサーライトが点灯する家が増えているが、いっそ、駅から自宅まで歩く道すがら、途切れなくこうした照明がエスコートしてくれれば安心で楽しい。玄関錠の2重化、強化窓ガラス、防犯ブザーに監視カメラと対策機材も市販され、意識の高まりもあって、被害が減少しているのだろう。

 さて、斯く言う拙宅は玄関のドアロックを2重化したのみで備えなし。町内の掲示板には、空き巣被害のあった家に印の付いた地図が張り出されたりするから、他人事ではないのだが。それでも、小さな犬を室内で飼っているから、一応の侵入者センサーにはなっていて、犬ごとの外出時はともかく、忍び込みと居空きには備えられている。夜中でも小さなきしみ音ひとつで吠え出すから、犬の聴覚、嗅覚をあざむいての侵入はプロでも至難だ。

 しばらくぶりに妹と会う機会があった。話が空き巣の話になって、以下は彼女の話。朝、夫が出勤間際になって時計と小銭入れが無いと言い出したが、そのまま出勤。子どもが起きてからも時計が無い、デジカメがないの騒ぎになって、夜中に忍び込みにあったことが判明。警察の調べでは庭に足跡があり、施錠してなかった窓から侵入したものと断定された。結局、犯人も不明、金品も戻らずで、夜中に枕元を犯人がうろついていたことを思うとぞっとしたと言う。

 さらに後日談。用心のため、雑種の仔犬をもらって室内で飼うことになったが、セパード系だったらしく大きくなりすぎて、庭で飼うことにしたとか。セコムと名づけられたこのワンちゃん、いまではりっぱに番犬の役を果たしているとのことだった。


11月号 「フリーター」

 外食産業やコンビニでは店員に「フリーター」の割合が多い。フリーターはご承知のようにフリーアルバイターの略語で、例によって両方とも英語圏では通じないが、厚生労働省は学生や主婦を除き、アルバイトやパートをしている人およびそうした仕事を求めている人と定義している。ニートという言葉も使われているが、こちらは学校へも仕事にも行かず、その準備(受験勉強、職業訓練)もしていないと言う英語の頭文字をとってNEETと呼んだもの。働く気がないという点では社会的な問題は大きいかもしれない。

 スーパー、アパレル、薬、メガネなど多くのチェーン店で、正社員は店長一人、他は臨時雇いのフリーターで人員構成がなされている。全員臨時雇いも少なくない。雇用側からすれば正社員とくらべ、低賃金雇用をはじめ、社会保険・賞与・退職金・有給休暇・慶弔金などもろもろの経費負担が無いかあっても申し訳程度、解雇も事前通告で可能といいことづくめ。一方、正社員と比較して、仕事での能力やアウトプットでは遜色が無いというフリーターもいて、正社員化を望む人は多い。話題の晩婚化・少子化も、将来の経済・生活保障が不安定なフリーターやニートの増加が一因になっているはず。新政府もフリーターの常用雇用化を積極的に進めるとしているので、今後の待遇改善が待たれるところだ。

 こうした、流通小売業界の雇用事情とは別に、より経験や知識・技術が要求されるIT産業界でも正社員に代わる人材採用形態が進行している。出向・派遣という、企業間の人材派遣契約である。セキュリティ、プロジェクト要員確保、労働力需給調整など、受入側企業にメリットは多く、人材派遣業者、出向斡旋業者も急激に規模を拡大している。契約や就労状況について、前述の厚労省も労働者派遣法の見直しや実態調査を行なう意向とのこと。派遣側企業・派遣される労働者の契約条件、待遇の向上を期待したい。




10月号 「資源ゴミ」

 自治体が設置した集積所から「資源ゴミ」を勝手に持ち去ることが犯罪か否か、という議論が何年か前にありました。不法行為であると言うのが結論でしたが、罰則はあるのでしょうか。

 ここ2・3年のことですが、ドラム缶ほどの大きなビニール袋にアルミの空き缶とおぼしきものを一杯に詰めて、自転車の両側、後部に満載して歩いている60年配の人を見かけます。出勤途中にすれ違いますが、アルミ缶の出どこが市内の集積所かどうか、詳細は不明です。当社近隣の商店主の話によれば、当地、立川市では、こうした仕事?をしている人が3名ほどいて、それぞれ毎月10万円近くの収入があるとのことです。バカになりません。

 筆者の街、あきる野市でも月に何回か資源ゴミを出す日が決められています。集積所はなく、燃やすゴミ・燃やせないゴミなども同様ですが、指定日の朝、玄関先にまとめて出しておくと、市が委託した業者が全世帯を回ってそのゴミを回収して行く、というシステムで運営されています。集積所まで置きに行く必要がなく、ゴミ出しの場所も自己管理、集積方式より評判はいいようです。

 近頃、この資源ゴミにわが町内会が注目し、独自に回収処分をするようになりました。約150世帯の小さな町内会ですが、ダンボール・新聞・本雑誌・アルミ缶・ビール瓶・一升瓶に限定し、各家庭からテント張りの集積所に持ち込むようにしています。スチール缶、雑多な壜などその他の資源ゴミは市のシステムにのせて出しますから、まっ! 良いとこ取りですが、市からのクレームはありません。日曜日、2ヶ月毎に町内各班から順番に20名ほどが参加し、1時間程度で仕分けと業者への引渡しを行ないます。筆者も2回狩り出されました。分量は3・4トン車一台、これで一回の売上は5~6万円。お祭りや会館の維持費などに当てています。こちらは先のアルミ缶に比べ、労力の割りには、ばかばかしいほど少額ですが、おかげで資源ゴミを粗末にしないようになりました。売上も毎回わずかですが伸びているとのことです。




9月号 「甲子園」
 むかし、「甲子園」で高校野球を観戦したことがある。昭和40年代初めごろ、初期の電子計算機は設置当初には客先での据付調整が必要で、数人のソフト・ハードの設計担当者が出向いて機械やプログラムのラン状態をすべてチェックし、顧客へ引き渡していた。通常、2~3日出張して終了というパターンであったが、問題が発生すると徹夜や昼夜2交代で対処することもあって、甲子園に行ったのはこうした夜勤明けの夏だったと思う。朝8時に引継ぎを終えると、夜8時まで自由時間。出張は関西方面が多く、普段行けないところに行けるので大歓迎。睡眠を十分とって夜勤に備えることが本来ではあったが、そこは若さと馬力、寝る間も惜しんで遊んでいたというわけ。

 たまたま、夏の甲子園の真最中、3人ほどで出張先の大阪から甲子園に行こうということになった。当時の高校野球は西高東低、高知・土佐などの四国勢、中京商などが常連高。試合の一方が広島の広陵高校だったと言うことしか覚えていないが、広陵はこの年決勝まで進み、結果的に千葉県代表習志野高校に破れての準優勝であった。

 例年、高校野球は、積極的にテレビ観戦するほうではないが、今年は早稲田実業と駒大苫小牧の15回引き分けの本選決勝を見て、昔の甲子園を思い起こした次第。高校野球の面白さをあげたら、今も昔も変わりはないが、環境は40年前とは隔世の感だ。金属バットなどの器具、投球球種など技術の進展、地域割りや延長回数等規則の変遷もさることながら、最も変わったのはどうやら人間らしいというのが結論。アイドルと追っかけ女高生の出現、出塁すると大きなガッツポーズ、派手な応援合戦と会話不能な喧騒、出場校の飲酒・暴行などのトラブル。これらは、当時の高校野球では皆無か、ごくまれな現象だったはず。

 大勢に従うめだか社会、これ見よがしの自己主張とはた目を気にしない自己虫、それに不祥事や犯罪の増加。高校野球が引き合いで申し訳ないが、スポーツ全体、しいていえば日本人全体にこうした傾向が増えたように思う。要するに、人間のレベルが下がり、自己規制がきかなくなったということか。近頃、「もったいない」がはやりらしいが、「みっともない」や「はしたない」も復活させたほうがよさそうだ。  


8月号 「学生寮」
 北海道大学の旧「学生寮」が札幌近郊にある「北海道開拓の村」に移築保存されています。明治末期の建造で、復元された玄関や廊下といくつかの部屋を見学できます。各部屋4つの木製ベッドと机が備え付けられた15畳ほどの板敷き間で、仕切りなどはありませんからまったくの共同生活です。
 筆者は通学生でしたが、学生時代にたびたび学生寮に泊まりました。家が江東区、大学が調布市で東京の東西端、飲み会や部活などで遅くなると、だれ彼かまわず、空いているベッドに泊り込んでいました。部屋に鍵は無く出入り自由、不幸にしてベッドの持主が深夜に帰宅しても、順繰りに外泊者の空いているベッドを探して寝てくれましたから、追い出されたことはありません。こちらは2段ベッド8人部屋、4年生だけは4人部屋だったと思います。やはり木造2階建て、洗面所、トイレは共同使用。食堂は道路をへだてた学食を兼用。浴室は無く、適当な時期に近所の銭湯に行っていました。

 夏は、山歩きなどの折、他学の学生寮を利用しました。予約もなしに寮を訪れ、こちらも寮生である旨告げると、帰郷して空いている部屋を提供してくれました。もちろん無料、南アルプス山行では山梨大学、東北旅行では東北大学の寮に泊まったことがあります。昭和40年に卒業しましたが、この頃の学生寮はどこも先の北大寮とほぼ同じ、プライバシーやセキュリティとは無縁の時代で、酒・タバコはしょっちゅう無くなりましたが、金品の紛失は皆無。夜はマージャン、カネの洗面器で作ったすき焼きをつつきながら飲み会という、バンカラな学生たちの集まりでした。個室・冷暖房完備の昨今とは大違いです。  

 菅平に母校電通大の宇宙電波観測所があります。近頃、ここに併設されている学生宿舎に泊まってゴルフを楽しむと言う企画に、毎夏参加しています。定員40名、電波関連の実習や運動部の合宿用の宿舎ですが、合間に先輩に解放してもらったというわけです。部屋は2段ベッド4人用と8人用の2種、卒業後数十年の元学生たちが20人ほどで押しかけ、昔の寮生活を懐かしんでいます。  


7月号 「傘」
 梅雨の盛りです。「傘」の出番が増えました。傘の忘れ物は鉄道関係者などの間で、ひと雨500本と言われるほど多く、毎年、遺失物統計では不動の首位を守っています。  
 その昔、クレージーキャッツ植木等さんの「なんである、アイデアル!」のテレビCMで一世を風靡したスプリング式折りたたみ傘のアイデアル社が最近破産したというニュースを聞きました。近頃は傘市場も当時とは隔世の感があります。価格で言えば、500円前後でりっぱな傘が手に入るし、100円ショップでもビニール傘が買えるとのことです。ますます気軽に忘れられる存在になってしまいました。一方、デザイン・色柄・大きさはもとより、5段折りたたみ・開閉ともワンタッチ・16本骨などさまざまなアイディアが盛り込まれた製品が出回りうっとうしい雨を傘で楽しむことも出来るようになりました。

 忘れ物筆頭の傘です。誰にでも置き忘れや紛失の経験があると思いますが筆者に関しはいずれも戻っています。10年以上前ですが、電車に傘を忘れました。新宿駅で降りてから気が付き、東京駅の遺失物係に電話したところ、電車はすでに折り返して、新宿に向っているとのこと。幸い、何両目のどの辺に乗ったかを覚えていたので新宿駅で、乗った電車を待ちました。これがドンピシャ! 忘れた場所にそっくりありました。感激~。

 次は熱海の老舗旅館に忘れた話。折り畳み傘を忘れ、帰宅後電話するとあったとのこと。送料旅館持ちで自宅に送られてきました。これがなんと、買ったばかりの使う前と見まがうばかりに、きっちりと畳まれていました。我々には到底出来ない技です。感心~。

 もうひとつは比較的最近、飲み屋(クラブ)での忘れ物。幸か不幸か傘に名前が書いてあり、連絡を受けました。一応5000円ほどした傘でしたので、会社帰りに引き取りに行きました。そのまま帰ればいいのに、帰り際の飲み代がなんと15000円。この2万円の傘は今でもあります。反省~。

 みなさんも、傘の忘れ物にはくれぐれもご注意ください。   


6月号 「老人」
 近頃、「老人」という呼び方を聞かなくなりました。何歳で老人と言う区分があいまいになってしまったせいかも知れません。昔のサラリーマンは55歳定年、嘱託で働いても60歳あまりで仕事を終え、以後は老人の仲間入り。今より手厚い年金制度のもと、悠々とは言えないまでも、自適な生活を送って、70・80歳でさっさと亡くなりました。子供たちの結婚年齢も今の平均よりずっと若く、50代で孫に囲まれ、介護で長期間家庭に負担をしいることもなく、社会問題とは程遠い存在でした。今から見れば早死にではあっても、見方によっては充実した晩年をすごしていたように思います。

 いまやすっかり様変わりしました。ゴルフ場でも観光地でも、定年組み60代あるいはそれ以上の世代が目立ちます。子供に財産を残す必要も無くなり、お小遣いと自由時間を豊富に持ち、仕事から解放されてレジャーや趣味にやっと充実した人生が送れるといった具合です。筆者の周りにも定年後の生活を謳歌している友人が増えました。まだ現役で給与生活をしている身には、自由を得たときのために健康と体力をどう保って行くかが課題です。加えて、2007年問題があります。戦後2~3年で生まれた団塊世代の大量定年退職が間近です。住宅・自動車・外食・観光・レジャー・趣味教養などなど、団塊世代の消費動向は経済にも影響を与えるでしょう。

 定年延長で5年先延ばしがあっても、こうした人たちの活動が鈍り、老人になったときに本当の高齢化問題が浮上します。90歳100歳まで生きられる時代になりました。定年後も長期間人生を楽しむことが出来るようになりましたが、晩年に付けが回ってきては元も子もありません。長生きが人生の幸せとは言い切れなくなってしまいます。

 ぽっくり逝けないまでも、1・2週間寝込んで、しっかり、元気に旅立ちたいものです。早死に以外に適当な方法はないのでしょうか。


5月号 「ヨット」
 「ヨット」のオーナーです。10年ほど前から仲間と共同でヨットを購入し、マリンライフを楽しんでいます。船はヤマハ製のセイリングクルーザーで、全長31フィート、自重3.2トン、トイレ・ギャレー(キッチン)・バース(ベッド)が備え付けられ、定員12名、外洋航海も可能です。購入時の船艇価格は航海機器・帆装を含めて1200万円。個人オーナーでの購入は無理でも大勢集まれば可能、我が艇(マーベリック号)はオーナー10名での共同所有です。繋留費・保守費など年間維持費も100万円以上掛かり、現在は年会費13万円で運営されています。母港は都営の夢の島マリーナ。横浜のベイサイドマリーナと並んで繋留数600艇に及ぶわが国を代表するヨット、モーターボートのハーバーです。とは言っても、西海岸マリナデルレイの所属艇5000隻、年間繋留費10万円程度の米国に比べれば文字通り桁違い、海に囲まれていながら、わが国のマリンレジャーはまだまだです。

 3月から11月まで毎月第3日曜日は、所属団体「東京ヨットクラブ」主催のデズニーランド沖でのヨットレース参戦。5月連休の富浦・館山港航海、夏の伊豆大島波浮港クルージングなどが年中行事。ヨットレースは毎回参加50艇を越すわが国最大のアマチュアレース、船上から見ても壮観ですが、東京湾を望む東西線の荒川鉄橋やデズニーランドのホテルから見ても一見に値するということです。わが艇はレース仕様ですが、成績は毎回控えめ、定年組みのクルーがビールを飲みながらの参戦(アルコールを飲みながらのレースはヨットレースぐらい)ですから戦績はいまひとつ、入賞することはありません。

 房総・伊豆への航海は最高。途中、本船(レジャー船・漁船以外の商業船)との衝突回避、イルカのジャンプ、潜水艦の浮上航行などにも遭遇し、毎回新たな発見があって興味は尽きません。航海は風まかせ、運賃も船中泊も無料、どこまでも気ままに行けるのが最大の魅力です。定年リタイア後は持ち家代わりに、豪華?ヨットで暮らすというのも選択肢の一つかも知れません。


4月号 「鉄道模型」
 私の趣味のひとつに「鉄道模型」があります。あまり人には教えていません。三畳間を占領し、ここに900×1800mmの小さいながら常設のNゲージ(縮尺150分の1)レイアウトを持っています。来客の多い家とは言えませんが、たまに来る友人や知人には見てもらいます。ところが、機関車・電車・貨物・客車など車両や編成、あるいは運転に関心を持ってくれる人は皆無。1000両ほどある車両や複線・高架・交換線で張り巡らされたレールを見て、あきれるばかり。我が家でも、長男を含む家族からはじゃまもの扱い。お父さんが死んだらこのガラクタはどうするのかと聞かれる始末。近所の中学校に全部くれてやれ、という遺言をしてあります。そんなこんなで、年甲斐を考えたり、オタク趣味の後ろめたさもあってか、公然と周囲に知らせる気が起こりません。乗るのは電車汽車より車ですが、運転は両方やりますとは言えますが‥‥。

 こうして紹介したのを期に少し模型の話を聞いてもらいます。レイアウトは専用ソフトで設計、レール敷設全長は28mで駅や街の面積を犠牲にした走り優先。2~10両連結、14編成の列車を駅・車庫などに留置でき、引き出して運転できるのが自慢です。

 車両はドイツ製が好きで、ひと時代前の電機、客車中心。ユーロ導入前のマルクの頃から、1ユーロが100円以下の頃に個人輸入で購入。送料や関税を入れてもユザワヤ(工芸・模型店)の3分の1から半額でした。アーノルト、フライシュマン、トリックスが有名メーカーで、中でもフ社製の精巧さと走りの良さはカトー、トミックスなどの国産車より優れています。欧州車の特徴は、切替えスイッチつきで線路と架線の集電によっても走ることです。そのためパンタグラフは真鍮線とスプリングから成り実物の機能を備えています。国産は2本のレールから給電する方式のみで、パンタグラフは薄板打ち抜き、ばねもなし、文字通り吹けば飛ぶような代物で実際よく壊れます。

 年とともに細かい部品の取り付けや修理に時間が掛かること。ユーロ高(140円)で輸入にメリットがないこと。制御方式にデジタル・デマンド走行(同一線路上を方向・速度の違う列車が複数走る)が出現し、採用には新たな投資が必要になることなど、悩みは尽きません。


3月号 「路肩走行」
 高速道路の渋滞で、のろのろ走っている車を尻目に、路肩を走りぬけるやつがいる。近頃少なくなっているとは言え、こうした車にはみんなが腹を立てているはず。

 ニューヨークタイムズ紙は例のライブドア社堀江某の経営手法をこの「路肩走行」にたとえて報道した。米国人のうまい例えに感心した次第である。ドライバーの誰もがズルをすれば人より早く目的地に着けることは判っているが、まじめにルールを守っているのである。儲ける為、金のため、法に触れなければ何をやっても良い、と言う考え方は、やがては法に触れても見つからなければいい、捕まらなければいいという考え方に必然的に変わって行く。ニューヨークタイムズ紙の例えは更に続き、路肩を高速で走るあまり、車は道からはみ出して墜落した、という文字通りの落ちまで付いている。ついでに言えば、暴落の憂き目を見たラ社の株主、22万人の個人投資家も多かれ少なかれ、路肩とまではいかないが働くという本道より、儲けの近道として側道を選んだのだから、結果に文句を言う筋合いはない。

 混んだ電車の中で、詰めればもう一人座れるのに知らん顔の若者、化粧に余念が無い女高生、ケータイでどうでも良いような話を大声でする茶髪、音漏れヘッドホンの学生。こんな光景にストレスが溜まるので、筆者は車通勤派だが、車でも路肩走行以外にタバコやゴミのポイ捨て、割り込み、おかま追い上げなど、こちらはこちらでストレスも多い。

 我々をおおざっぱに2種類の人間に分けるとすれば、こうした、人の迷惑を顧みない自分勝手な人間とそうでない人間に分けられると思う。路肩走行をする人間は、大方が電車でも席を譲らず、平気でゴミもタバコもポイ捨てする。もう一方はルールを守り、上に述べた不正や迷惑行為を容易にはしない人間である。両者間で行動規範が違うことを思えば当然だが、一事が万事とは言い得ている。路肩走行組はごく少数ではあるが模倣犯を生み、社会に与える悪影響は大きい。幼児からの生育過程の途中、何が原因で路肩走行を平気でできる若者になってしまうのだろうか。犯罪抑止は社会の永遠の課題ではあるが、その芽とも言える路肩走行組みをなくすのは容易ではない。


2月号 「結婚式」
 「結婚式」に招かれることが年に1・2回はある。社員の披露宴に招待されることが多く、スピーチを頼まれたりすると、これが終わるまでは安心して飲めない。もっとも主賓で出席する場合は乾杯前に出番が終わってしまうから、準備と緊張を強いられることを除けば、あとはゆっくりと料理・飲み物・宴の趣向を楽しむことができる。気楽なのはスピーチ無しで甥や姪など親戚筋の式に呼ばれた場合だ。暫くぶりに親類縁者が集い、新郎新婦を肴に大いに飲み語り、お祝いの気分に浸れる。一方こちらにも多少の代償は求められる。式への参列である。式場付属の教会では、普段まったく縁の無い賛美歌を歌うふりをしなくてはならないし、今では少数派となった神式では、半分もわからないのりとを聞かされるはめになる。この点で、挙式をはぶいた人前結婚は歓迎だが、自分の子供に限っては、やはり式を挙げてもらいたいとの思いがある。

 さて、新郎新婦の抱負は、明るく楽しい家庭をつくりたいが定番。そこで最近ではスピーチの機会に、たくさん子供を産んでほしいと言うことをお願いしている。子供なくして明るく楽しい家庭を求めるのは難しい。同じ社会問題でも、高齢化をとめる理由はないが、少子化は解決しなければならない。こうして見ると、出産より先に結婚を奨励することが順序だ。出産給付や育児手当・休暇など出産育児に偏りがちな制度を見直し、挙式給付・配偶者控除の条件緩和と増額・住宅取得助成など、晩婚や独身の理由はそれぞれだが、制度上の後押しと結婚しやすい環境づくりも必要と思う。

 フランスでは育児支援が奏効し、05年の出産による自然増が27万人という。人口減に歯止めがかかり、うらやましい限りだが、正式な結婚をしないカップルが増えており、昨年うまれた赤ちゃん(81万人)の約半数(48%)が婚外出産とのこと。結婚はしないが子供は産む、というのなら結婚の奨励も不要、少子化も解決だが、わが国でもこうした出産増が期待できるかどうかは別問題だ。


1月号 「イルミネーション」
 夏が花火なら、冬は「イルミネーション」。夜を彩る光のイベントが年々盛んになってきました。クリスマスから新年にかけ、駅前・商店街・ショッピングモール・ホテル・テーマパークなどいたるところで街路樹、壁面、オブジェを飾る色とりどりのイルミネーションを楽しむことができます。

 こうした組織的な演出で構成されたものとは別に、個人商店、一般家庭でも、玄関や庭に飾りつけをしているところが多くなりました。白熱電球をはじめ光ファイバーやLEDなど市販品も豊富、電飾機材の進歩もあって、手ごろな投資で、それなりにきれいなイルミネーションを作ることができるようです。これ見よがし、パチンコ店と見まがうばかりのハデハデ飾りはごめんですが、帰宅途中、ひっそりと点滅する豆電球をみるとほっとしたりします。

 クリスマスイブに夫婦で丸の内の「東京ミレナリオ」を見に行きました。出先から車で向かい、夕方、交通規制直前に丸ビルの地下駐車場に無事滑り込み。東京駅前から大手町方向へU字型に延々3時間並んでやっと最初の光のゲートに到着です。愛知万博以来の順番待ちでした。夏の昼に対し冬の夜とこちらの方が悪条件でしたが、そこは根性、並んだからにはひたすら待つのみ39万人が押しかけたとのことです。西暦2000年を記念し1999年から始まりましたが、東京駅復元工事の開始と千年記念祭(ミレナリオ)も終わりということで、今回が最後、主催者側の宣伝もきいて過去最高の人出となりました。

 「都市のファンタジア」がテーマ。万博同様、並んだ価値があったかどうかは別にして、豪華絢爛・光の幻想・異次元逍遥を堪能しました。元旦の朝3時までの開催とのことです。

 冬の行楽本命は温泉旅行ですが、イルミネーション巡りも合わせてどうでしょう。札幌ホワイトイルミネーション、神戸ルミナリエ、仙台光のページェントなど全国各地で見ることができます。

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