2005年のコラム

   

今月のひと言

当社のコラム担当 「今が好き♪」 氏のコラムです。毎月連載します。

    
2005年 12月号 「名字の読み方」
11月号 「難読地名」
10月号 「エレベーター」
9月号  「株式投資」
8月号  「大豆」
7月号  「コンプライアンス」
6月号  「家紋」
5月号  「オービス」
4月号  「アスレチックス」
3月号  「内部告発」
2月号  「暗証番号」
1月号  「お急ぎ!」
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12月号 「名字の読み方」

 地名に限らず、「名字の読み方」も難しい。難読名字や珍しい名字の例を挙げだしたらきりが無いが、判じ物に近い名字が読めたからといって、地名読みほど役に立たないのではないかと思う。ただ、同じ漢字なのに読み方が複数ある姓(名字・苗字)が多く、名刺交換などでは読めても確認しなければならない場合もある。日本人の氏名は戸籍上、表記文字(漢字かななど日本の文字)で登記されていて、特に読み方の届出は不要である。従って、簡単に言ってしまえば、読み方に制限はなく、家族単位で勝手に名字の読み方を決め、他人に「私の姓はこう読みます。」と宣言すればいいことになっている。これは名前についても同様で、わが国には本人の申告を社会が認めてくれるという仕組みがある。

 山内、竹内姓などは例外なく、内の前に「の」の付く人、付かない人がいる。角田・古橋姓など多くの姓で、音・訓読み、にごり読みの有無などで数通りの読み方がある。こうした同字異姓は一般的で、われわれは読みと人を対比して覚えなければならない。都築さんの読み方はつづき・つきを筆頭に他に10以上のもの読みがあるという。日本の姓は表記で10万種以上あり、それだけで圧倒的な名字大国(欧米全土で6万種、中国5千種、韓国3百種)であるが、読みを入れると今日では、30万種以上あるのではないかと考えられている。

 ここで難読というより珍名字の代表格を2つ紹介しておく、一さん:にのまえさん、文字通り2の前が1だから。四月一日さん:わたぬきさん、春、暖かくなり着物のわたを抜いて着るから。だそうである。

 尚、名前ほど容易には行かないが、珍奇・難読・いじめや嘲笑の対象となる姓など、社会的客観的に見てもやむを得ない事由がある場合は、名字の変更も認められているとのこと。終わりに、比較的周囲にいる難読名字を読んでください。

私市、五十山田、薬袋、土師、木住野 -----------------------------------------------------
難読名字の答え(※以下の点線の間をマウスでドラッグしてください) -----------------------------------------------------
きさいち、いかいだ、みない、はじ、きしの -----------------------------------------------------


11月号 「難読地名」

 日本には「難読語」が多い。一般の用語や名詞でも始めて見た時に、まずと言うか、まったく読めない字句が無数にある。これが地名や苗字になるとさらに難読度、奇怪度が増し、だじゃれ、トンチのたぐいを超えて、でたらめに読むものまである。

 いまNHKのBS-hiテレビで「列島縦断 鉄道乗りつくしの旅 秋編」JR2万Km全線走破という連続番組が人気だ。昨年の「最長片道切符の旅」と乗りつくし春編に続く3作目で、平日の毎朝7時45分からの15分間放送。ちょうど、出勤前の時間で最初の10分間ほどを見ることができる。NHKらしくあまり有名でない駅から毎朝、今ではおなじみになった若い旅人がスタートして、次の目的地に一泊しながら旅を続けるといった按配(あんばい)。

 青森県の五能線艫作駅から津軽線三厩駅をへて今月は北海道を旅行中。といわれても駅名は読めない。それぞれ「へなし」、「みんまや」駅で前者はWORDで漢字変換不能、後者はややポピュラーらしく、一発漢字変換できたので読める人も多いはず。へなしはその昔外国船が難破し、この地で損傷した舳先(艫:へさき)を作り直したことから起こったらしい。この用法、無いから作ったという意味を漢字と読みで同時に表わすという高等芸。同様の用法はちょっと思い浮かばない。みんまやは普通に呼んで「みつうまや」だから読みに無理は無い。

 さて、北海道はアイヌ語発音を漢字化した地名が多く、難読地名の宝庫。同番組でも長万部に一泊。この地名は誰にでも読めるほど有名だが、はじめて呼んで、おしゃとは出ない。長老をおさとも言うからこの訛りから派生したもの、判ってみればむしろ易しい読みの部類だ。難読地名をあげだしたらきりが無いのでおしまいにするが、最後に問題。次の地名を呼んでください。

積丹、標茶、能取、忍路(小樽市)、花畔(石狩市)、白人(幕別町) -----------------------------------------------------
地名読みの答え(※以下の点線の間をマウスでドラッグしてください) -----------------------------------------------------
しゃこたん、しべちゃ、のとろ、おしょろ、ばんなぐろ、ちろっと -----------------------------------------------------


10月号 「エレベーター」

 「エレベーター」の地震対策が急がれています。地球温暖化が主因とされる、局地的豪雨や大型台風の頻発により、世界各地で大きな被害が報告されていますが、地震についても近頃、発生が異常に多いような気がします。7月23日、千葉震源による東京で震度5。その5日後にも震度4。8月16日、永い間ゆれた宮城沖地震と立て続けにゆれを経験したばかりです。こちらは地殻活動によるものですが、環境因子の何かと因果関係をもっているのでしょうか。人為的に予防あるいは阻止できなければ、備えるしか手はありません。

 上の3回の地震では1万~6万台ものエレベーターが停止し、多くの人が内部に閉じ込められるという事態が発生しました。大量のエレベーターが停止したため、その後の復旧作業に時間がかかり、救出に半日以上かかったという例もあって、ここに来て急に、エレベーターの地震対策が問題となってきました。

 現在のエレベーターは「自動停止装置」を備えており、地震を感知すると自動的に停止し、その後最寄りの階に移動してドアを開く仕組みになっていますが、移動中に「かご」がゆれて、壁などにぶつかると別の緊急停止装置が作動してその場で停止してしまいます。無事移動後ドアが開いてみたら、正面は通過階の壁でギブアップという、お粗末なプログラムで運転されていたエレベーターもありましたが‥‥。いずれにしろ、こうなると内部からはどうしようもありません。ひたすら外部からの救出を待つのみとなってしまいます。

 復旧は、保守会社が点検して安全を確認した後、運転を再開する手順になっていますから、同時大量停止では作業員が不足し復旧に時間がかかるのは明らかです。国土交通省とエレベーターの協会では、停止装置の感度を下げる・停止後一定条件で自動復帰させる・現場レベルで点検ができるなど、閉じ込めが発生しにくいシステムの開発や復旧の早期化へ向けての検討に入りましたが、閉じ込め防止のために安全基準を緩和すれば大事故にもなりかねず、復旧を急ぐあまり、十分な点検がなされずに運転を再開すれば2次災害につながりかねないと、悩ましいところです。

 つらい思いとストレスは避けられませんが、1日ほどはなんとか待てるでしょう。安全優先でお願いいたします。



9月号 「株式投資」
 主婦の間で「株式投資」がはやっているそうです。最近ではミニ株投資といって、単位株(売買単位、通常1000株)に満たない額でも証券会社が小口(単位株の1/10、100株単位)で株を切り売りしてくれる制度ができ、10万円以下でも投資が可能になりました。手ごろな出資により投資人口を広げ、財形の選択肢を増やそうというのが証券業界の狙いです。職場には以前にもありましたが、ミニ株ができてからは近所の奥さん方数人で、お小遣い程度の共同出資金を基に投資グループを作ることができるようになりました。銘柄を選んで売買を楽しんでいるとのことです。経済や社会、国際情勢の勉強にもなり、宝くじのグループ買いより、趣味と実益の点では上かもしれません。

 筆者も株式投資をはじめて15年ほどになりましたが、最初は例によって利殖目的。証券マンの勧めに従って、振り回されました。買って数週間後に倒産してしまった観光会社。信用取引での大損、累積投資でも、単位株に到達したとたんに景気下降でオジャン‥‥。失敗は数え切れませんし、今では恐ろしくて損害金額を積算する気にもなりません。

 それでも、たまにはクリーンヒットもあったりして、懲りずに続けていますが投資姿勢はすっかり変わりました。財テク目的は2の次にし、知的ゲームとして楽しむことを主体にいくつかルールを作りました。投資金額は生活や将来に支障の無い遊び金の範囲であること。銘柄は業界を代表する企業で好感がもてるものを自分で決めること。購入後15%アップまたは10%ダウンで売ること(これがなかなか守れない)。株主優待制度のある株を累積投資で長期に持つことなどです。ここのところ収支拮抗と報告しておきます。

 株といえば、会社の社員持株会での自社株取得が堅実です。会社から毎月掛け金の4%の奨励金が付き、株取得までは奨励金を含めて幹事証券会社が投資信託で運用します。利回りは定期預金の比ではなく、配当の楽しみと、なにより上場時の売却益は絶大です。株式投資より、こちらが先でしょうか。欠点がひとつ、役員は加入できないということです。  


8月号 「大豆」
 枝豆と「大豆」は別物と思っていて、成熟前の大豆を枝豆と呼ぶことを知ったのはつい数年前のこと、家人からずいぶん馬鹿にされた。すると、枝豆の幼児期は大豆もやしということになる。古来、わが国では味噌しょうゆに始まり、豆腐・納豆、きなこ・ゆば、豆乳・おからなど大豆加工品は豊富で、豆腐から作られる油揚げなどの2次加工品や煮豆・ずんだ餅といった料理法なども加えると派生食品は数え切れない。

 米国では健康食指向から、ひところブームとなった豆腐や醤油に続いて、今日では納豆が大はやりらしい。パンにピーナッツバターと納豆をはさんで食べているのをTVのニュースで見た。米国は世界の大豆生産(年間1億トン)の6割を占める国であるが、膨大な生産量の割に食用としては利用せず、もっぱら油用と輸出に向けられている。わが国も国内消費(年間500万トン)の大部分を米国からの輸入に頼っているが、用途としては天ぷら油、サラダ油など食用油が8割で残り2割が食品用とのこと。ちなみに国内生産は25万トン程度

 大豆にはガン予防や老化防止に効果のあるサポニン、脳の活性化やコレステロール低下に効くレシチンが豊富に含まれ、その上脂肪が少なく、たんぱく質が多い。さらに最近では大豆に含まれるイソフラボンという成分が注目され、骨粗しょう症・乳ガン・更年期障害などの予防や治療に効果があることが解明されつつあり、化粧品にも添加されている。  また男性の更年期障害ともいえる前立腺肥大や前立腺ガンも抑えることができ、活性酸素の除去にも有効と、言うことなし。わが国の大豆食品が米国だけでなく、世界的ブームになるかも知れない。

 今晩は枝豆と冷奴で一杯やり、朝は油揚げの味噌汁と納豆ご飯にしよう!  


7月号 「コンプライアンス」
 「コンプライアンス」と言う言葉を聞くようになった。国会議員達が何を思ったか、いきなりマニフェストなどと言い始めた時もそうだったが、初めてこうしたカタカナ英語を耳にした後は、こっそり辞書を引いて、知ったかぶりをしなくてはならないから、わずらわしい。横文字をありがたがる国民性は相変わらずだ。コンプライアンス経営も日本語にすれば何のことはない、遵法経営のこと。そう言ってくれれば判るし、遵法なら、何を今更ねぼけたことをと言いたい。国が憲法を制定し、法律を施行した瞬間から全ての法人・個人が遵法を強いられるのである。つまり、法の良し悪しは別にして、遵法は我々の義務であり、他人に遵法を要求する権利をふくめて、あたり前のことであるはず。

 然るに、企業が急に、遵法などと声高に言い出したのは、自らが法を軽んじ、違法行為をしていたことの証左ではないかとも勘ぐりたくなる。だから素直に遵法といえず、横文字に助けを求めたのかも知れない。違法労働行為・許認可届・環境問題・個人情報保護などに関し、遵法を改めて表明しはじめた企業は多い。

 一方、またまた三井物産の排ガス浄化装置のデーター捏造、鋼鉄製橋梁工事の入札談合と、遵法などどこ吹く風、といった大企業の犯罪が摘発されている。地方自治体や国の監督当局をなめきった行為とも言えるが、企業側にはそれなりの理由があって当然。裏では監督官庁としての能力の欠如、日常的手抜きや馴れ合い、公務員としての資質の低下等々も一因ではなかったか、監督側の責任も明らかにすべき問題だ。この点は例の福知山線の大事故も同様、JR西日本への悪口雑言報道は溢れていても、国土交通省の指導監督責任に言及した報道はほとんど見ない。

 犯罪や事故は、起きないあるいは起こりにくい仕組みが機能しているか否かを常にチェックすることが重要だ。木を見て、山を見ないと道を誤ってしまう。   


6月号 「家紋」
 わが家の「家紋」は丸に七曜(丸で囲まれた7つの円)である。父の実家には家紋入りの什器などがあったが、こと筆者に関しては紋入りの所有物は皆無で、日常生活ではまったく家紋に無縁だ。

 昔から、わが柿崎一族はその出自を越後上杉家の家臣、柿崎和泉守景家に発すると勝手に思っている。NHKのドラマ、上杉鷹山でも家臣として柿崎一族の活躍が描かれていた。柿崎姓はこの鷹山の居城があった山形県米沢市をメジャーとし、長野県屋代(千曲市)、それにわが家系の山形県新庄市周辺の3ヶ所に集中しているが、発祥の地、越後柿崎(新潟県柿崎町)には残っていない。新庄組みは米沢からの分派である。この姓はどこに住んでいようと9割方が上の米沢か新庄、あるいは屋代の出身者であると思って間違いが無い。

 ところで、亜流の屋代柿崎は三つ葉大根紋で問題外としても、米沢柿崎の家紋が九曜紋となっている。円の数が2つ多く、デザイン上は同系列ではあるが、我々が直系の子孫でないのは明らか。苗字と出身地は符合するので米沢一族の末裔であるとは思うのだが‥‥。

 家紋は平安中期の公家社会から始まり、戦国時代に敵味方識別マークとして普及したもの。以来、世襲で代々受け継がれているが、現在では自分の家紋がわからないと言う家庭も多いはず。もっとも、日本の家紋は英国のように紋章院によって厳密に管理されているのとは大違いで、何の法規制も制約も無いから心配は無用。自分の代から自由に選び、あるいは創作して使うことが出来る。もちろんどこへも届け出の必要がない。政府は天皇家の菊紋を我が国の国章として使用しているが、これとて法的な裏付けは何も無いのである。

 将来、文化勲章かノーベル賞を受賞する機会があったら、本家正統の九曜紋を染め抜いた羽織はかまをオーダーして、授賞式に臨もうと決めている。


5月号 「オービス」
 車を運転する人ならだれでも「オービス」という言葉を知っているでしょう。高速道路などに設置された自動速度取締機の通称です。

 知り合いにこれで撮影された人がいます。中央道は甲府南付近の長い直線部分で、夜間でしたが、ごまかしようが無いほど鮮明に顔とナンバープレートが写っていたと聞きました。写されたのは、赤っぽい閃光で分るようになっているのが普通です。もともと赤外線撮影ですから、フラッシュに目に感じる光は不要ですが、わざわざ可視領域の光を発して警告し、安全の為、以後の速度違反を抑える効果をもたせています。従って昼間も発光しますから、ピカッときたらおしまい。御用となったのは容易に気が付きます。レーダー感知機など事前に取締機を感知する装置も売られていますが、オービスには色々な速度測定方式があり、地下にループコイルを埋め込んだ誘導型では感知機も反応しません。

 また、一見不思議なことに、取締機が設置されている道路には、2・3キロ手前から必ず、自動速度取締機設置路線という看板が掲げられています。飛ばし屋には親切で、ありがたい措置と言えます。ダミーの取締カメラもありますが、看板を見落とさずに減速すればまず安全?です。せっかく、取締機を設置しても、これでは取締りの効果は半減以上だと思いますが、この予告の掲示が義務付けられているというから、えっ!です。肖像権の問題で、犯罪や事故の抑止であっても事前に告知すべきである。つまり、悪をすると写真を撮るよ、と前もって知らせなさいとの裁判所の判例があるためです。理屈はそうでも、傍若無人に飛ばしている車をみると、やはり、捕まればいいと思う人は多いでしょう。なんとなく納得がいきません。警察もさぞかし悔しい思いをしているでしょう。


4月号 「アスレチックス」
 「オークランド・アスレチックス」という球団がある。例のイチロー選手のいるシアトル・マリナーズも所属するアメリカン・リーグ西地区の強豪チームだ。プレイオフの常連で、リーグ優勝・ワールドシリーズ優勝回数はともに、松井選手所属の東地区ニューヨーク・ヤンキースの首位に次ぎ、リーグ14チーム中2位。西地区4チームではほぼ毎年1位の常勝チームだ。

 このアスレチックスには他の上位チームとは際立った特徴がある。選手の年俸総額ではリーグの下層グループ(リーグ9位、マリナーズは4位)で、こちらも首位のヤンキース(平均年俸540万ドル)に較べ、3分の1程度しかないこと、もう一つはその戦略だ。

 スター選手や即戦力の選手を金で集めるなど問題外、では資金なしでどうチームを育て上げたか。アスレチックスは常識にとらわれず自他のゲームを徹底分析し、次の結論に達した。守備より打撃がより勝利に貢献すること。打撃に関しても打率より四球など出塁率をあげることが重要であること。盗塁は、はでさの割に失敗が多く効果が低いこと。この結果、チームが求める選手像は、守りが下手でも、長打者でなくとも、足が多少遅くともノープロブレム。ただただ塁に出るだけ、これなら選手の調達費は安上がりだ。もっとも若手選手を育て上げる土壌が必要なのは言うまでもない。こうして金をかけず、スタープレイヤーも無しでこのチームは勝ち続けているということである。

 問題は人材の質の高さでなく、なにが成功へ導く要件なのかを見定めることであり、そこに能力や資源を投入することが重要であることをこの例は物語っている。企業経営にもぴったりあてはるという結びは蛇足だろうか。


3月号 「内部告発」
 企業の違法行為を「内部告発」した社員が会社から不利な扱いを受けないよう、保護する法律、公益通報者保護法は、すでに平成16年6月に成立し、平成18年4月から施行予定となっている。雪印食品、三菱自動車など従業員からのマスコミや当局への通報がきっかけで企業不祥事が明るみにされる例が多く、法整備が急がれていたものだ。英国では公益開示法が、米国でも同主旨の連邦法がすでに発効しており、我が国も参考にしているはず。つい最近のバブル期あたりまでは、自分の会社や組織の問題を外に漏らすことなど、タレコミであり、裏切りであって、正当な行為であるとの認識が薄かったことを思えば、大きな進歩だ。しかしながら、だから安心して企業の不正を通報してくださいということにはならず、社員というより企業・行政に顔を向けた法律となっているとして、消費者団体・労働組合・法曹界などからは批判が上がっている。

 法律では通報する相手が規定され、第一が勤務先、第二が担当行政機関、事情次第でマスコミや団体機関など第三者も認めるというから、理解に苦しむ。法律施行後は企業内に通報窓口が必要となるが、この窓口で通報が握りつぶされたり、外部通報が妨害されることは大いにありえる。これでは外部通報をさせない処置としか思えない。是非とも社外に利害関係のない、文字通り、公益と通報者保護を使命とする通報窓口の設置が必要だ。また違法行為が犯罪か刑事罰につながる範囲とされ、政治基金規正法や選挙関連の法など政治家がらみの違法行為はちゃっかりはずされている。

 例によって、文章は読みづらく分りにくく、問題が多い法律ではあっても、制定された以上遵守しなければならないが、保護とは有名無実、骨抜きにすることなく、制定の主旨に沿った良心的運用を切に願いたい。


2月号 「暗証番号」
 「暗証番号」のセキュリティ管理が問題視されている。銀行のキャッシュカードやクレジットカードが盗難に会い、暗証番号も当てられて、多額の現金が引き出されてしまう事件が後を絶たない。最近ではスキマーと呼ばれる磁気情報読み取り器でカード情報を読み取り、偽造カードに書き込んでATMから難なく現金を引き出すと言う手口に移行している。こちらはカードそのものが盗難にあった訳ではないので、犯行の発見が遅れ、本人の知らないうちに被害が拡大してしまう。盗難に気付かず、裏で被害が広がるのは、物でなく情報が盗まれた時の典型的な例だ。

 ゴルフ場の貴重品ロッカーからカード情報を取り出し、偽造カードを使って総額3億円も引き出すという恐ろしい事件がおきた。つい最近この窃盗グループが逮捕されたとのことだが、これがカード偽造犯摘発のはじめての例というから、例の大晦日の1万円札偽造同様、それなりの機器を持っていれば犯行は簡単、その割に被害が大きく検挙は難しい犯罪といえる。IT化のつけというか、技術の発展にセキュリティが追いついていない。

 もちろん、こうしたカード犯罪は暗証番号によってガードされているが、たかだか4桁の数字では秘匿性が非常に低い。誕生日は使うな、メモは残すなといわれても、覚えていなければならないなら自分特有の数字にならざるを得ない。また、ひねった番号でもATM等への入力時にうしろや脇からのぞかれれば簡単に覚えられてしまう。頻繁に変えろといわれてもカードは一枚ではないし、覚えなおすのもわずらわしい。犯罪に警戒心の薄い国民性と、交通事故同様、まさか、自分は大丈夫という永年の思い込みから、目下対策は講じていないのが実情だ。せめて、数字だけでなく英字も含めて6桁になれば正解率は相当下がると思うのだが。


1月号 「お急ぎ!」
 「札幌へご出発の今井様、お急ぎ! 搭乗ゲート4番へおいでください。」
空港でよく耳にする呼び出しアナウンスだ。この「お急ぎ!」には違和感を覚える人も多いだろう。「お食べ!」「おどき!」などこうした口調は女性が使う命令語の用法であり、お客に使う言葉ではないはず。いつまでたっても一向に改まらないばかりか、先日行ったアウトレットの呼び出しでも使われていた。どうして「~へお急ぎください。」と言えないのか。レジでの「1000円からお預かりいたします。」も、おかしいと批判されつづけながら定着してしまった。

 ホテルのクロークでも気になることがある。かばんを預ける時、必ず「貴重品はありませんか。」と聞かれることだ。貴重品があった場合はなくなっても知りません。と、聞こえるし、実際、係りの人はそう思っているのかも知れない。貴重品イコール高額品ということで万一の事故を恐れての確認と思うが、何が入っていようと、預かったかぎり、保管の責任は負わなくてはならないし、こちらもなくなっていいものを預けたりはしない。接客第一の業界での応対にしてはいまひとつで、ここは「大切にお預かりいたします。」と言う言葉を加えて安心させてもらいたい。

 新幹線の車内で「川崎の伊藤様、おりましたら10号車車掌室までおいでください」と言うアナウンスをきいた。一瞬、あれ!降りたら乗っているはずがないのに~と思ったが、これはもちろん、居たらの意味だ。おりましたらを省くか、おられましたらと言い換えれば間違いようはないのだが、まっ!問題にすることでもないか。

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