2002年のコラム

   

今月のひと言

当社のコラム担当 「今が好き♪」 氏のコラムです。毎月連載します。

    
2002年 12月号 「うつ病」
11月号 「北朝鮮」
10月号 「フロリアード」
9月号  「産地偽装」
8月号  「株価下落」
7月号  「食品偽装」
6月号  「五十肩」
5月号  「コンビテンシー」
4月号  「職人」
3月号  「スローフード」
2月号  「ひと言発言を」
1月号  「黒字社員を目指せ」
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12月号 「うつ病」

 「うつ病」の経験があります。今ではすっかり立ち直って、この病気を客観的に見ることが出来ます。仕事での責任の増加と環境の変化がストレスとなり、メンタル面で自分を支えられなくなったことが原因だったと思います。今思えば、何であの時はあんなに落ち込み、つらい毎日を過ごしたのか不思議です。当時、死ぬことは考えませんでしたが何をやっても面白くなく、人と交わっても自分ひとりが沈み込んで、生きている実感がありませんでした。もちろん医者にも通い、カウンセラーとも話しましたが‥‥

 幸いこちらの状態を理解してくれる、同僚や家族に助けられ、彼らと一緒にいることには苦痛がありませんでした。この病気にはよき理解者と相談相手がぜひとも必要です。原因となった悩みや不安はどれも第三者にとっては重大に見えませんが、こころが病気になってしまった本人には生き死にほどの問題となってしまうのです。こうしたある日、突然と言っていいほど劇的に立ち直りました。要するに考えかた、ものの見方が変ったのです。悩んで、心配して何がよくなる?という考えにいたったのです。実際、元気が戻った後も前も、世の中は何も変っていません。社会の状況も会社の環境も家庭の様子も、何もかもが同じでした。ただ変ったのは、自分の心のあり方だけです。

 自分が陥ったら信頼できる人と相談して、客観的な思考力の回復を待とう。他人が陥ったら、本人の負担を取り除き、精神の安定がはかれるよう助けよう。この病気は必ず治ります。

   

11月号 「北朝鮮」

 我が国の政府は「北朝鮮」と正常な国交が行なえると、ほんとうに思っているのだろうか?例の日本人拉致問題を24年間も否定しつづけ、その間も例の重武装の不審船での情報活動やスパイ行動、隠れた拉致ももちろん行なっていたはず。さらに、同様に永年否定していた核兵器の開発も行なっていたという。日本の戦時中と同じ情報統制が敷かれ、食うや食わずの国民は、自国内はもとより諸外国の情報の全てが操作され、政府の思うままにコントロールされている。拉致された人々までもが金正日バッジを胸に帰国したのをみて、24年間に及ぶマインドコントロールの深さに寒気を覚えた人も多かっただろう。金正日がオウム真理教の教祖とダブってしょうがない。

 国の形態を取っていない国との国交などありえない。我が国は外交三流国と言えども、まず、拉致の方法・組織、洗脳の実態、24年間の経緯など全貌を調査すること。また不審船に関しても同様、活動と組織の一部始終を解明し、二つながら、首謀者や実行犯を特定して北朝鮮に相応の責任と処分を科すことが先決。虚偽と策謀を正し、北朝鮮が真に民主主義共和国と認められるようになったら、あらためて国交の是非を議論しても遅くはない。



10月号 「フロリアード」

 この夏休みに、オランダとベルギーへ旅行しました。私の妻はフラワーアレンジメンが趣味で、数人の生徒に自宅で教えたりしています。花の教室は、先生が朝早くに、花市場で花を仕入れ、生徒に町の花屋さんとほぼ同じ価格でゆずりますから、花代の差額が実入りで、授業料そのものは申し訳にいただく程度だとか。

 さて、今年は10年に一度オランダで開かれる、花の万博「フロリアード」開催の年で、会期は4月から10月まで。これに是非行きたいというのが妻の希望です。幸いアムステルダムに古い友人が2人おり、いずれも私と同年齢、事務機大手と自動車メーカーのヨーロッパ社役員として赴任しています。訪問を打診すると、是非来てくれという返事。彼らも明年は定年で、先ははっきりせず、くるなら今年というわけ。急遽予定をくみ、10日間の訪欧となりました。

 お目当ての「フロリアード」はさすが花の国、真夏なのに良く管理された諸外国の庭園、パビリオンが広大な敷地に配され、一日では十分に見きれないほど。実はこの花博よりも花好きにはこたえられない場所がアムステルダム近郊、アールスメールにありました。オランダが世界にほこる巨大花市場です。なんと1室800m×400mの床面に花がぎっしり、こんなに大量のさまざまな花を一度に見るのはこれが初めて、オランダの花の約半数がここで取引され、年間扱い量は切花50億本、鉢物5億本にのぼると言う規模でした。オランダ訪問の折には是非立ち寄ってください。この旅行ではオランダの北半分とベルギーは首都ブリュッセル、古都ブルージュを回りましたが、こちらの報告はいずれ機会があればということにします。



9月号 「産地偽装」

 またまた「産地偽装」の牛肉が発覚した。つい最近、食品関連企業の信頼失墜について騒いだばかりだ。今度は日本ハム。例によって輸入牛肉を国産と偽って狂牛病対策の補助金を国からだまし取ったというもの。もう驚きはしないが、あきれて開いた口がふさがらない。だいたい多くの社員が会社の行なっている犯罪行為を知っているはずなのに、誰一人として、おかしい、やめるべきだと言う者がいない不思議。企業風土がそう言わさない雰囲気を作っているに違いない。職場全体が裸の王様シンドロームになってしまっているのだろう。

 これには我が国の消費者にも責任がある。松坂牛も埼玉県産も豪州産も区別がつかないのに、産地表示のラベルを信じての国産信奉。こういった消費者ニーズに迎合した企業にまんまとだまされていたというわけ。一方、グッチだヴィトンだとファッションは輸入品に群がる節操のない国民性だから、今度は反動で輸入肉しか買わないという消費傾向が生まれるかもしれない。しかし、そうなれば同じく節操のない食品業者達はあわてて国産表示を輸入牛に替えてしまうだろうから、まっ!いずれにしても口に入る肉は表示に関係なく同じものか‥‥。



8月号 「株価下落」

 「株価」の下降が止まらない。6%という最悪の支持率だった森内閣時代より、現在の株価は4000円以上さげて、1万円を割り込んでいる。米国ワールドコムなど大企業の不正決算処理に端を発した世界的な株価下落傾向という背景があるものの、我が小泉内閣は口先だけの改革に終始し、発足以来何の構造改革・景気浮揚策もなく、もはや森内閣以上の失政は誰が見ても明らか。それなのに、この内閣の支持率は下がったとはいえ40%以上、最近ではまた上がり始めているというマカ不思議。内閣発足当時14200円だった株価がいまは1万円ほど、これは東証1部上場企業だけの時価総額で415兆円あったものが290兆円になったことを意味し、小泉内閣で125兆円の国民と企業の資産が失われたことになる。

 自殺者も50代男性を中心に4年連続3万人超、家出も17年ぶりに10万人突破といったニュースがつたえられ、要因の多くが経済・経営問題となっているのに、大新聞・テレビなどはいっこうに国家経済と国民生活に危機を感じているふうもない。内閣もさることながら、こうしたマスコミの態度が一層事態を悪化させ、無能内閣を増長させている。国民のオピニオンリーダーとして、国を正しく導こうとする自覚などないのだろうか?



7月号 「食品偽装」

 無認可「食品添加物」を使用していたとして、大手企業が摘発されている。つい最近、雪印食品の牛肉産地偽装・全農および丸紅畜産の鶏肉産地偽装・下関市にある林兼産業の豚肉産地偽称など、大量の輸入肉を国産と偽ってスーパーに卸していたと大騒ぎしたばかり。しかもこうした事件は一社の不正が明らかになると、次から次へと同業他社が摘発されるという我が国の企業風土。食肉業者に限らず産地偽装のこうした不正はまだまだ隠れているはず!
 そして、今度は食品添加物。ダスキンが経営するミスタードーナツの肉まんに加えられていた無認可酸化防止剤・大手スーパーイオンがノルウェー産スモークサーモンに使った無認可保存料・協和香料化学が食品、化粧品などの香料原料として使っていた5種もの無認可添加物など、毎日どれかが報道されている。あきれるほど先の偽装肉事件と同じ経緯。

 こうなると、我が国企業が供給する食品で、安心して口に入れられるものは何もないという事態。家畜を飼い、畑を耕すわけにも行かず。せめて良心的な企業の食品を食べたいのだが、そんな企業が存在するのかも疑問に思ってしまう。



6月号 「五十肩」

 「五十肩」を患っています。この病気は、掛かったときの年齢には関係なく、病名としてこう呼ばれます。老化現象の一種で、肩関節の腱の部分や滑液包(潤滑液の袋)に炎症ができて、肩の動きを妨げます。私の場合は、左腕をまっすぐ上に伸ばしたり、後ろにまわすことが出来ません。医者には油切れですね、といわれました。痛いのを我慢して動かすことが治療方法ですが、元来なまけもので、体操や運動をせず、電気マッサージ、針灸、筋肉注射にたよりました。お金を使ったわりに、結果はやはりだめ、まだ不自由です。そろそろ医者の指示に従うほかありません。

 今、養護ホームや病院から車椅子が消えつつあります。車椅子を使わずに歩行介助器具などを使って、自力で歩く訓練をさせ、寝たきりを防いで文字通り自立させようという試みが奏効してきたのです。「廃用性症候群」という病名が付けられて、注目されましたが、要するに使わない機能はどんどん退化してダメになると言う、あたり前のことが実施に移され、介護のあり方を変えたのです。足腰や肩に限らず、頭も廃用性症候群にならないよう、気をつけたいものです。



5月号 「コンピテンシー」

 「コンピテンシー」という言葉を聞いたことがあるだろうか。最近、社員の意識教育や組織活性化の基本概念として注目され始め、適性能力とか行動特性と訳されている。各企業の職務や役職ごとに、その仕事をするにはどんな能力が必要で、どういった意識を持ち、どう行動すれば業績向上につながるのかを分析・評価しようという理論だ。判り易くいえば仕事ができる人の行動に注目し、その仕事の仕方(行動特性)に学べば、多くのできる社員を生み出すことができる、といった按配である。

 どんな優れた教育プログラムでも継続して実践していかなければ企業内に根付かない。例によって米国発の「コンピテンシー」という理論も一朝一夕には活用できないが、あの先輩なら・あのお客様なら・上司なら・社長ならこうするのではないか、と身の回りにいる人たちの行動に学ぶことならできそうだ。不幸にしてできる人が見つからない場合は、もうしかたがない、「仕事に打ち込むこと」に尽きる。案外これが一番のできる人への早道であり、最良の自己啓発かもしれない。



4月号 「職人」

 「職人」さんが減ってきたように思う。大工さんも左官屋さんもみんなサラリーマン化し、電動工具をもって、粋ではなくスマートになってしまった。これは別に悪いことではないが、金のために働き、時間に応じて賃金をもらうとう割り切りかたが気になる。昨年、築20年の我が家の内外装を改修した。基礎工事・大工・左官・内装・瓦・経師・塗装などなど、日替わりで大勢の「職人」達が出入りした。大方はラジオ放送を流しながら、特に自分の仕事にこだわりがある風でもなく、こちら側の思い入れを聞くでもなく仕事をし、時間になるとさっさと帰ると言った体。

 ところが、外壁の塗装職人は違った。弟子をもつと自分の納得した仕事ができないのでひとりで全部やるという。足場の調整・水洗い・塗料の調合など、黙々。一切手抜きはしません。自分の納得のいくまで仕事をさせてもらいますと言う。歳は60前後。この仕事が大好きで誰にも負けないと。あいにく、仕事の期間中雨か曇り模様で毎日通ってきてもあまりはかどらない。大変ですね~と言うと、「ご主人、これがいいのです。塗装は一気にやってその日に乾いてしまうと言うのが、最悪で、こんな天気にゆっくり塗って、じっくり乾かすほうがもちがいいのです。いい仕上がりになりますよ。」との返事。三日間の仕事が一週間以上。もちろん超過料金の支払いはなし。いま我が家の外壁は輝いている。おじさん!いつまでもいい仕事を!



3月号 「スローフード」

 「スローフード」。ファーストフードに対する言葉です。ヨーロッパ生活が永い友人がいます。年に2回ほど帰国した折に会いますが、彼がこぼしていました。いまマクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどアメリカ生まれのお手軽食事店がヨーロッパの若者の間ではやりだし、大人たちは顔をしかめているとのことです。

 本来、食事は歓談しながらゆっくり食べるべきで、あれではえさだと言うわけ。実際イタリアやフランスのような食文化が発達した国からみればその通りで、効率優先、繊細さを欠く米国様式がここでも他国の文化を侵略しているのです。

 大量生産ではとてもできない、手づくりの靴・アパレルファッション・自動車・時計・化粧品・スポーツ用品など中小企業が世界の一流ブランドを生み出しているヨーロッパの風土。一時間あたりの労働生産高はイタリアが一番高いという統計もあります。働くときは目いっぱい、いいものをつくり、そのかわり食事や遊び、恋をじっくり楽しむという気質。「スローフード」運動を手始めに、是非守ってもらいたいと思います。



2月号 「ひと言発言」

 「ひと言発言」。会議では必ず発言しよう。黙って聞いているだけの会議参加は全くの時間のムダ。セミナーや勉強会ならいざ知らず、少なくとも会議は参加者全員の意見・発言によって改善事項・申し合わせ・問題解決・今後の計画などができ、会議の目的が達成される。

 聞いているだけなら欠席して、議事録やお知らせメールを読んだ方がましかも知れない。質問もされず、意見も求められず、会議の進行によっては発言の機会がない場合もあるが、そんなときは、「いいですか?」あるいは「ちょっと、聞きたいのですが!」など、積極的に自ら発言の機会をつくって、会議に参加しよう。もしあなたが沈黙の出席者だったら、次回は是非、提案や意見、質問を用意して会議に臨もう。

 発言は全員に十分聞こえる声で、最後の語尾まではっきりと。小声やもぐもぐ声は自信が無さそうで、会議を暗くしてしまう。あなたの発言で会議がより活性化し、より大きい成果が得られるようになるでしょう。



1月号 「黒字社員を目指せ」

 「黒字社員」と「赤字社員」。社員の一人ひとりが例外なく利益への貢献を求められている。毎月支給されるあなたの給料は利益を生むために会社が支払う投資であり、貢献への報酬である。あらゆる企業に、売上を増やし、コストを下げて利益を生み出す努力が要求されている。

 取りあえず決まった時間に出社し、何の問題意識もなく、改善工夫の発想も無し、時には無駄な残業までして、与えられた仕事をやってさえいれば給料も賞与も手に入る‥‥と思っていないだろうか。自分の働きを毎日あるいは毎月決算してみよう。あなたの働きは給料を補ってなお、儲けを生み出し、会社に利益をもたらしているだろうか?

 給料はコストであり、給料分以下のアウトプットしか生み出せないコスト倒れの赤字社員の存在は黒字社員にとって大きな負担であり、会社全体の士気にもかかわってしまう。ルーチンワークのなかで知恵を出し、上司や他部門にコストダウンや売上向上に関する情報発信をし、全社員が黒字社員をめざそう。


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